私の原点は、群馬県千代田町にあります。関東内陸工業地域の一角に位置するこの地で18年間を過ごし、隣町である太田市のSUBARU本工場をはじめとする数多くの製造拠点に囲まれて育ちました。父は20年以上にわたり建設業を営み、親戚や友人の多くも自動車製造や物流、建設といった現場に従事しておりました。私は日常生活の中で働く人々の姿を目にしながら、産業を支える現場の力強さと、それを根底から支える技術の大きな意義を肌で感じてまいりました。これこそが、私の価値観を形成し、経営の原点となっております。

こうした経験を通じて私は、「技術を通じて現場を支える」ことの重要性を深く認識するようになりました。産業は人によって支えられ、人は技術によって支えられています。その相互関係を理解し、現場と技術を結びつけることこそが、社会に新たな価値をもたらす原動力になると確信しております。私たちは、単なる仕組みや設備の導入にとどまらず、現場の声に真摯に耳を傾け、課題に向き合い、本質的な変革を実現することを目指しています。「技術」そのものを磨き上げると同時に、「現場の痛み」や「人の感情」に寄り添い、真に活かされる仕組みを築き上げる。これが、私たちの揺るぎない信念です。

近年、産業界は人材不足や環境対応、国際競争力の維持といった複雑で困難な課題に直面しています。私たちは、こうした時代の要請に応えるべく、現場に根差した技術をもって解決を図り、企業の持続的な成長と社会全体の発展の両立を追求してまいります。現場から始まり、現場に寄り添い、現場とともに未来を築く。ものづくり産業と技術を結ぶ架け橋として挑戦を続け、日本の産業界が世界に誇る競争力を維持し、次世代に受け継がれる持続可能な発展を実現するため、全力を尽くしてまいります。